株式会社アクセルスペース(本社:東京都中央区、代表取締役:中村友哉)は本日、国際連合の推進する「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals; SDGs)」への貢献を目指し、主に人材育成の分野での衛星データの活用を促進するため、一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構(所在地:東京都港区、理事長:柴田泰秀、以下「J-spacesystems」)と覚書を締結したことをお知らせします。
J-spacesystemsは2012年より、衛星データを利用してグローバルな社会課題を解決し、SDGsに貢献するための人材育成プログラムに取り組んでおり、これまでに世界30か国の100人以上が学んできました。従来のプログラムにおいてはコスト抑制の観点から無償で利用できる衛星画像を主に用いてきましたが、解析内容によっては撮影頻度および地上分解能の点で必ずしも満足のいくデータではありませんでした。また、無償画像であるがゆえに撮影リクエストを出せないため、観測したい地点のデータが存在しないことも多々発生していました。
アクセルスペースが提供するAxelGlobeは、無償画像データでは難しかった2.5mという高い地上分解能の画像データを誰でも、いつでも、簡単にアクセスできる事を目指した次世代の地球観測プラットフォームです。また2020年中に4機の打ち上げを予定しており、すでに軌道上で稼働している1機と合わせて5機体制となり、世界のどの場所であっても3日に1度程度の撮影頻度が実現します。そして2022年までには、さらに機数を増やし、撮影頻度を1日1回まで向上することを計画しています。
アクセルスペースとJ-spacesystemsはこのたびの提携により、AxelGlobeのデータを当該人材育成プログラム(日本政府が行うABEイニシアティブ*1等への支援を含む)に活用することで、より高い地上分解能、より高い撮影頻度を必要とする用途への対応を可能にするとともに、日本やアフリカを含む各国の研修生が掲げる課題への対応などさらに広い範囲へ適用を進め、SDGsへの貢献を確かなものにしてまいります。
*1: ABEイニシアティブ
2013年6月に、日本は第5回アフリカ開発会議(TICAD V)を開催し、官民一体となってアフリカにおける強固で持続可能な経済成長を支援する政策を示しました。安倍総理による冒頭スピーチで表明された「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(African Business Education Initiative for Youth、以下、ABEイニシアティブ)は、5年間で1000人のアフリカの若者に対し、日本の大学や大学院での教育に加え、日本企業でのインターンシップの機会を提供するものです。このイニシアティブは、TICAD Vに先がけて政府に提出された「TICAD V推進官民連携協議会提言書」の中で重要な点として指摘された、アフリカの民間セクターや公的部門における人材育成、アフリカ各国が日本の優れた技術や日本企業への認識の深化、またそのために我が国を訪れるアフリカ人の増加に応えようとする支援策の1つです。また、TICAD VIIでは、6年間に3000人の人材育成をする「ABEイニシアティブ3.0」も発表されています。詳しくは下記のウェブサイトをご参照ください。
https://www.jica.go.jp/africahiroba/business/detail/business03.html
https://www.jica.go.jp/africahiroba/business/detail/03/ku57pq00001jwm0b-att/abc_pamphlet_jp.pdf
連携先 一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構について
本機構は、宇宙システム(衛星システム、打上げシステム、地上システム、衛星リモートセンシング及び宇宙環境利用)に関する研究開発、調査研究、国際協力、普及啓発及び人材育成を行うことにより、宇宙先端技術の開発及び宇宙技術の利用を推進し、地球環境保全、資源エネルギーの確保及び宇宙産業の発展に寄与し、もって国民の安全安心の確保、国民経済の健全な発展及び国際社会への貢献に資することを目的とした一般財団法人です。