株式会社アクセルスペース(本社:東京都中央区、代表取締役:中村友哉)は、東京工業大学とともに「Ka帯ビームフォーミング技術による超小型衛星通信の高速・高機能化」研究に関する検討を進めてきました。この度、本研究が国立研究開発法人科学技術振興機構の推進する令和3年度研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP※)に採択されましたのでお知らせします。
※A-STEPは大学・公的研究機関等で生まれた科学技術に関する研究成果を国民経済上重要な技術として実用化することで、研究成果の社会還元を目指す技術移転支援プログラムです。
本研究では、超小型衛星の通信速度の大幅な向上と、地球観測と高速通信の同時実行を可能とするKa帯ビームフォーミング通信機の研究開発を行います。ビームフォーミング技術とは、無線通信で使われる技術の1つで、電気的な制御によってアンテナから特定の方向へ電波の送受信が可能になる技術です。
これまで、地球観測衛星の画像撮影と高速通信はそれぞれ衛星の独立した姿勢制御が必要となるため、同時の実施が困難でした。本研究ではビームフォーミング技術を活用することで、画像撮影をしながらの高速通信が可能になり、衛星から提供されるデータ量の増加や、よりリアルタイム性の高いデータの供給を可能にします。
東京工業大学工学院で本研究を担当する白根助教と戸村助教は次のように話しています。
「今後の低軌道衛星の大容量通信を担うKa帯フェーズドアレイ用集積回路を実現します(白根)」
「これまでに培ったアンテナ技術を総動員し、超小型地球観測衛星で高速データ通信を可能にするアンテナを目指します(戸村)」
また、アクセルスペースで本研究を担当する須藤は次のように話しています。
「現在より多くの撮影データを衛星から地上に送るために必要となる次世代無線技術の研究開発プロジェクトです。この分野で経験豊富な大学の先生と協力しながら次世代無線技術の開発できることを楽しみにしています。このプロジェクトを通じて新たな通信機を開発し、将来的には次世代衛星の機能向上を目指します。」